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「それじゃ、失礼します」
美少女が言った。
――え、違うだろ? これをきっかけに俺に恋して夢中になって……、ああそうか。
男のほうからきっかけを作ってあげなきゃいけないのか。女の子のほうからは言い寄れないもんな。よし――
「君、可愛いね。二人でお茶しない?」
「お茶ならさっき飲んだばっかりだから、結構です」
「じゃあ、そこのベンチで話そうよ」
「いえ、連れがいますので」
「え、友達と一緒?」
その時、男の頭上から声がした。
「俺の女に何か用か?」
男が見上げると、身長百九十センチもあろうかという強面の大男。
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