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ベッケンバウアーの憂鬱
この物語は、私立野梅高校に通う仲睦まじい女子高生3人……自由少女マホ、災難少女チトセ、妄想少女ユウコによるヤバい物語であるーー
今日は休日ということで、チトセの部屋で集まり、皆で映画を見るということになった。
広がる青空、途切れ途切れの雲、爽やかな春風吹きつける今日この頃。
チトセの家は、閑静な住宅街の中に建つ、白い二階建ての一軒家。ガーデニングが施された庭があり、四季によって見た目が変わる。
2階にあるチトセの部屋は、ベランダ近くの隅にシンプルなベッドが置かれ、隣には雑誌が無造作に置かれたデスク。
本棚には漫画がぎっしり。小さめの液晶テレビが黒光りする下には、ゲーム機がいくつか収納されていた。
2人はレンタルショップに寄った後、買い物をしてから来るということで、チトセは先だってソファの埃を取って、プレーヤーを出して……と用意を始めていた。
そしてスマホに入る新着。ユウコからだった。
『今駅に着いたわ、これからDVD借り』
という文面。
(なんで尻切れてんの……)
と頭で疑問を浮かべるが、意味は通るので了解と返信。
その数分後……再び新着。
『たわ。今、コンビニで買い物中よ』
(前の文の続きいらねぇよ……)
と思いつつ、了解と返信。さらにその数分後……また新着。
『今、小学校の近くよ』
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