ベッケンバウアーの憂鬱

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「ちげぇよっ! これさっきジュースこぼしただけだからっ!」 「いいのよ、別に隠さないで。私もたまに、そういう時あるから、ふふ」  と優しく微笑む。 「いやだからやめろ! フォローんなってねぇからマジで。しかも要らん情報まで……」 「チトセいるーっ?!」  と、再び声を上げるマホ。 「だからいるってここに! しつこい!」 「あははは、ウケる! チトセいたぁ」  と、指差し笑う。チトセは溜め息交じりに 「ったくウケねぇよ。お前のツボいつもわからんわ。てか入れし、さっさと。腕疲れんだわ」  するとユウコはクスッと笑い 「もう受け入れ準備バッチリだものね。入り待ちね」 「なんか引っかかんだよなぁ、その言い方……」  そして2人をあげて二階へと進むチトセ。後をついていくユウコ。部屋まで来るとドアを開けて中へ入れようとするが……マホの姿がない。  チトセは訝しげに 「は……マホは?」 「あら、どこに行ったのかしら。さっきまで後ろに居たんだけど」 「嘘でしょ、あいつどこ行ったの。マジで嫌な予感しかしないんだけど……ちょっと探してくるわ」 「じゃあお先に、部屋に上がらせてもらうわね」 「そうして。ったくトイレか、あいつーー」  ということで、一階へ降りていきトイレを見るが入ってない。
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