ベッケンバウアーの憂鬱

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 高いボディソープだから、ワンプッシュでいいだろお前小さいんだし」  その後、さっぱりしたマホにバスタオルを貸し、着替えさせると二階へ。  階段を上がりながら 「ったくユウコのやつ、なんかすげぇ不安。あいつウチいない間に、なんかしてねぇだろうな……」  と、ボヤきながら ーーガチャリ  2人で中に入ると、ユウコは予想に反してしっかり正座で座り、ジュースなどを取り出して準備をしていた。 「あら、おかえり。遅かったのね。もしかして貝合わせとかしていたのかしら?」  チトセはユウコの頭めがけて ーーパシン!  とひと叩き。ユウコの髪がふわっと舞う。 「ユウコのせいだろっ! マホに変なこと吹き込むなよマジで」  すると唇に手を添えて 「それも優しさなら、私は受け入れるわ……」 「やめろきもいわ。ってか案外普通に待ってたのが怖いけどな、むしろ」 「あら、何その私が変なことするの当たり前、みたいな言い方」 「今までクソほどしてきた口が、何言ってんだよ……」 「ごめんなさい、口でするのはまだ慣れてないの」 「やめとけ、やかましいよ。てか何借りてきたのDVD」 「これね、マホと私で一つずつ選んできたの」  ゴソゴソ手提げから取り出して 「これよ。恋愛ものと、アクションね」 「へぇぇ、これアクション系絶対マホだろ選んだの。これ前も借りなかったっけ?」  マホはぺたりと座ると
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