ベッケンバウアーの憂鬱

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「……マホにこれ渡されることに、ストレス溜まる不思議な」 「ちゃんとサプリメントも買ってきたのよ。チトセとチトセが宿す未来の子のためにね」  と、ユウコが葉酸サプリを手渡す。チトセは、フッと笑い 「うわ、めっちゃありがた迷惑。人の未来予想図、汚れた手で勝手に描くなよ。  てかウチ普通に、そのポップコーンとかで良いんだけど」  マホは足をパタパタさせながら 「ねぇねぇ見てほらぁ、めっちゃ色変わる!」  と言って口へ運ぶ。チトセは目を丸くして 「もうやってんのかよ、はやっ! お前小学生じゃん。それ美味いの?」 「あんまり美味しくない、あははっ! チトセにあげる」  とグニュっとなっている物体の乗るトレーをチトセに渡す。 「お前さっき、めっちゃ大事にしてたじゃん! もう飽きたのかよ、その色変わるのと同じくらいはええわ。クソすぎ」  ユウコは、お菓子やら飲み物やらを綺麗に並べ直しながら 「なんかチトセの部屋って、意外と女の子らしいわよね」 「……え、別に普通じゃね?」 「チトセのことだから、壊れかけのラジオとか使い込まれたボクサーグローブとか、使用用途不明の威圧的な木刀とか、置かれているのかと思ってたわ」  チトセは拳を握りしめ 「喧嘩売ってんのかお前っ! そんなのあるわけねぇだろ。てかなんで、壊れかけ置くんだよ」  するとユウコは、人差し指を顎に当てながら
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