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私は生まれも育ちも京都、生粋の京都人である。
八十を過ぎた祖母と幼い頃から一つ屋根の下で住んでいるため、お盆の間は肉や魚は食べられず、幼い頃は牛乳すら家の中で飲ませてもらえなかった。流石に今は随分緩くなったので牛乳や油を使ったお菓子は家で食べられるようになったが、同級生より堅苦しいお盆を毎年迎えていたと思う。
今年は国内に蔓延した疫病の影響で六道さんへご先祖様をお迎えに行けなかった。仕方のないこととは言え、どうもメリハリが無いお盆だった。
改めて六道まいりと言う行事の大きさに気づいた今、せっかくなので六道さん――もとい六道珍皇寺に関する、ある夏の体験を綴ろうと思う。
これは、六道さんの前を通る度に思い出す、不思議な話である。
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