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「そういうこと。どうする? その代わりこのコルセン業務は夜間受付も計画されていて、週に一度だけ二十時まで受け付けのシフトがはいるローテーションになってしまうみたいなんだ。そこは僕がなんとか早く帰って梨佳のめんどうみるから」
そうすれば、たとえ妻がパートでも共働きが出来るだろうと思って、僕も腹をくくった。
そこまでの夫の提案に、妻の返事も決まっていた。
「ありがとう、徹平君。うん、やるだけやってみる」
僕たちは微笑みあう。翌日、夫の僕から課長に返事をし、妻が元職場での復帰を果たすことになった。
―◆・◆・◆・◆・◆―
美佳子のコールセンターは、この地区のエリア本部の所属になるため、街中の本部ビルにある。近くの電鉄を使っての通勤をする。
初日。緊張している美佳子を僕は駅まで車で送ってあげた。
「大丈夫だよ。同じ会社の仕事に戻るだけなんだから」
「うん。そうだね」
「嫌だったら昼で帰ってきなよ。僕は迎えに行けないから、一人で帰ってこられるよな?」
ちょっとひねくれた僕の激励に、美佳子がぷっと膨れ面になった。
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