シーズン5【 スイートテン 】後編*男は選ばないと、酷い目に遭う*

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 帰路につく運転中。いつも混雑している神社の三叉路(さんさろ)、信号待ち。僕はハンドルを握りながら悶々と考える。  課長を引き受けたら、間違いなくあの沖田と仕事をすることになる。  争いやいざこざの『リスク』を覚悟せねばならないだろう。  さあ、どうする――。    自宅に帰ると、変わらず夕食を作る匂いがした。覇気はないが淡々と主婦業をこなして美佳子は過ごしている。 「あ、お帰り。徹平君」 「うん……」  エプロン姿の美佳子が玄関にやってくる。今までのような溌剌とした笑顔ではないけれど、少しずつ戻ってきている。  そんな美佳子に『あの男がいる本部に行くことになったよ』と告げたならば、どう思うのだろうか。靴を脱ぎながら、僕は小さく溜め息をついた。 「……なにかあったの。徹平君」 「え、なにもないけど」  とてつもなく心配そうな顔の美佳子がそこに立っている。けっこう鋭くて僕は慌てる。細かい仕草を妻はしっかり見届けていたようだ。 「また一人で我慢していない? だいぶ前になるけど『嫌なことがあった』とか急に言いだして、私、あの時びっくりしたんだから」 「嫌なことなんてないよ。仕事は順調」
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