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「失礼ですが。奥様の足の指に黒子とかあります?」
は? 話が唐突に切り替わり、僕は呆気にとられた顔で彼女を見てしまう。だが彼女も言いにくそうに僕から目を逸らしたのだが。
「あの男、当時、美佳子さんと交わした会話の一部始終を喋りまくって美佳子さんが駆け引きで沖田を誘ったことなんかも『年上の色気で俺をくわえこもうとしていた』とかなんとか、赤裸々に暴露していたみたいです。それだけじゃありません。必死に否定する奥様に対して、ロジスティックコルセンの若い女の子達に『小指の裏側、内側に小さな黒子があって、そこを舐めるとよく感じてくれた』とか言ったらしいですよ。女の子達もふざけて、沖田が何を言ったかも知らない美佳子さんを裸足にさせて確かめて、それで『寝た証拠』とされたようです。もう美佳子さんの弁明はそれ以後は『みっともない』と見なされたようで……」
「なんだって……?」
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