シーズン5【 スイートテン 】後編*男は選ばないと、酷い目に遭う*

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 あの落合さんにここまで応援してもらえるようになったことは、僕にとってもとても嬉しいことだった。彼女の必死な瞳に僕はどこか幸せを感じていた。  そこで……。僕には何かが見えてしまった。  僕が課長になることは、誰もが祝福してくれるだろう。そんな手応えを今感じている。でも僕が課長を引き受けると……美佳子が、沖田が……。  僕は、何故か笑った。 「係長?」  訝しそうな落合さんに、僕は笑って言う。 「彼に殴られるほど恨みをかった僕もまた……貧乏くじをひいていたんだよ。落合さん……」 「ど、どうしてですか。係長はいままでなにも間違っていませんよ。あんな酷かった私のことだって……!」  僕は答えなかった。ここまで僕を助けようと本部の様子を探ってくれ、必死になって訴えてくれる落合さんに言いたくなかったから。  そうだ。あの時、営業部長に自己判断で取り次いだ時。僕は貧乏くじを引いていたんだ。  彼が大好きで堪らなくて彼を信じたからこそ、自分のために美佳子を貶めた落合さんのように。  瀬戸際の三十女だった美佳子が、つい彼に惹かれてしまったように。  そして。僕も……。  そんな貧乏くじを引いた男が本部に行くと、きっと僕も疫病神になることだろう。    ―◆・◆・◆・◆・◆―
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