シーズン5【 スイートテン 】後編*男は選ばないと、酷い目に遭う*

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 まだ雪は舞うが、春を告げる祭が始まった頃。僕は答を出した。 「椿祭、今日で終わってしまうな。今夜いこうか」  帰宅するなり告げた僕に、美佳子も娘の梨佳も目を丸くしていた。 「どうしたのパパいきなり! だって今からもうご飯だよ」  その通りで、食卓は既に整っていた。 「せっかく作ってくれたのに、ごめん美佳子。それでも今夜はママと梨佳とでかけたいんだ」  美佳子がまた、僕をじっと訝しそうに見ている。やがて、彼女から笑ってくれる。 「うん、いいわよ。これはまた明日食べられるから」 「え、ママ。今から行くの?」 「うん。だってパパがどうしても行きたいって言っているのよ」 「梨佳。お参りが終わったら、お寺の近くにあるパスタ屋に行こう」 「ほんとう!? いくいく!」  娘がコートを取りに部屋へとすっ飛んでいった。 「美佳子もほら。支度して」 「うん」  いきなりの家族での外出。心なしか美佳子の笑顔が戻ったような気がした。  
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