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ええ! 美佳子からこんなにべた褒めされたのは初めて。しかもそんなそんなずっと前から僕のこと! 僕の頬が冬空の下でも、一気に熱くなる。
「嘘だー。僕が格好良いだなんて。嘘だ!」
「いいのよ、嘘で。私だけが知っていればいいの。誰も見ちゃ駄目。徹平君が格好良く見えた女の子は、絶対に徹平君のことあっという間に好きになっちゃうはずだから」
なんだよそれ。と僕は益々困惑。でも今度は美佳子が余裕でにっこり笑っている。
「決めたの。私の恋、これが最後。死ぬまでずっと徹平君に恋していくって。他にも恋をしたけど、あっちの方が全部嘘。私の本当の恋は徹平君だけよ」
はあ、なにこれ。なんなんだこれ? どうして、今日は僕が妻を励まそうと思っていたのに? なんで僕がこんなに掻き乱されているんだろうか?
それも、こんな甘く疼く恋する彼女からの、恋の告白。僕の胸もずっと前のようにドキドキと早鐘の如く胸を打つ。
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