イニング1 【 先攻◇年下男は熱闘体育会系 】

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 流石に、その笑顔には千夏も釘付けになってしまっていた。  でも。だからこそ。素直になれない。  まっすぐすぎて。綺麗すぎて。近寄りがたいという感覚。この感覚、誰かわかってくれるだろうか?     ―◆・◆・◆・◆・◆―    まだ昼休みの時間は残っているが、千夏はそのままコンサル室へと戻る。  最近の大ヒット商品と謳われているコンビニ発『季節限定、生チョコ』。春は苺、五月の連休は抹茶味が出ていた。そして今回はミント。冷やして食べるのが美味しいから、コンサル室に戻った千夏は冷蔵庫がある給湯室へと向かう。  するとそこでコンサル室の男の子が二人、お客様接待後の湯飲みを洗っているところだった。 「おかえりなさい、主任」 「もうお昼も終わったんですか」 『まあね』と答え、冷蔵庫を開けようとする。そこではたと思いだしたことを、彼等に言う。 「だんだん暑くなってきたから、冷たい麦茶を用意しておこうと思うのよ。後で買ってきておいて」  すると彼等がにっこり顔を見合わせる。 「買ってありますよ」  え、若い彼等にしてはすっごい気が利くじゃないと千夏は驚いた。
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