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「ちょっとでも、その、気分転換になればと思って」
「ごめん、本当にごめんなさいね。やっぱり私もテンパっているわ。ほんとこれ食べてゆったりさせてもらうね」
やっと彼等も嬉しそうな顔になってくれる。河野君からもらったチョコレートを冷蔵庫にしまい、千夏は給湯室を後にする。
コンサル室があるフロアの、非常階段へと出る扉を開ける。
「また、やっちゃった」
溜め息混じりに呟き、一人額を抱えた。
本当、この性格でどれだけ損をしたことか。せっかく佐川課長と本部へと転属、主任に昇格して、元々いたメンバーとの意思疎通が出来るようになってきたというのに。程良く出来上がった関係を空気を壊しかねないところ……。
「ごめんね」
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