イニング2 【 後攻◇お局主任はおひとり様 】

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「堀端にいる時もそうなんですよね。ほっと一息ついて戦闘解除しているくつろいだ顔も、女性らしくって優しいんですよね。だから俺、ついついそんな主任に会いたくなって堀端に行ってしまうんです。えっと、邪魔だってわかっているんですけど、すみません」  本当に、なんなのこの人は……。なに。なんでこんなに女として嬉しくなってしまうことばかり平気で言ってくれるのかしら。それとも私ってここで既に騙されているわけ? こんな純朴そうなスポーツ青年の顔をして、実は今までもすっごい沢山の女の子をこうして喜ばせて手玉に取ってきたとか? 私、もしかしてすっごい見当違い起こしていない? 男を見る目ナシと自覚している千夏だから、余計に冷静になって振り返ってみた。 「あの、なんで俺をそんなに見てるんですか。いきなり怖い顔……なんか嫌なこと言いましたか、俺」  眉をひそめながら彼を見ているうちに、本当に眉間に皺が寄ってしまいかなり怪しい顔で彼を見ていたようだ。それだけ千夏には不思議生物に出会った気分。 「ええっと。俺に何か言いたそうですけど」 「未確認生物――UMAユーマって知っている?」
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