1908人が本棚に入れています
本棚に追加
/281ページ
「落合さんも、もういいよ」
「はい、課長」
まだ残っているけど、今日はほっとする。このまま続けられそうにはなかった。
「美佳子、僕だけど。うん、今日はコンサルの彼等と河野君と……そう、またバッティングセンター。あはは、うん、上手くならないけどはまってる!」
え、また河野君とでかけるんだ。いつもの愛妻コールを聞いて知った途端だった。
「おつかれーっす!」
ビリッと身体中が震撼する程のあの元気な声。
「きたきた、河野さん」
「課長も終わったところですよ」
「わあ、丁度良かった。俺も慌てて片づけてきたところ」
若い彼等と河野君が和気藹々。大きな身体の彼に、いまどきスリムな彼等が輪になっていると、少しばかり年上の河野君が妙に頼りがいありそうな兄貴に見えたりして不思議な光景だった。
「またせたね。行こうか」
綺麗に片づいたデスク、椅子にかけていたジャケットを手に取った佐川課長も、もうすっかり満面の笑み。どうやら河野君と二人だけで行っていたバッティングセンターに、若い彼等も連れて行くことになっているようだった。
男四人、本当に楽しそう。河野君も違う部署なのに、すごく馴染んでいる。
最初のコメントを投稿しよう!