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みるとスティックの真ん中に丸い窓がふたつ。赤いラインが窓の中に。
「これ尿で調べるんだけど、ここに赤い線が出るとね。お腹に赤ちゃんがいるってことなの」
「え!!」
びっくりして、僕は玄関で突っ立ったままになる。でも美佳子はそんな僕を見て嬉しそうだった。
「まだちゃんと産婦人科で検査しないと、ちゃんと赤ちゃんが正常にいるかどうかわからないんだけどね」
「え、えーえーえー?」
「そうなんですよ、パパ」
「えー。そうなんだ!」
やっと僕も認識。それはそれは勿論、嬉しかった。好きだった女性と結婚、そして彼女が妊娠。二人の間に子供が。その子が僕と美佳子を確かに繋げてくれる。
これで僕もやっと、美佳子に選ばれた男であってもいいんだと思える。
――なら、いいのだけれど。
嬉しさが落ち着いた後、僕は思い出す。
子供がいつ出来たか。男して振り返る。その時僕の心が少しだけ曇る。思いついた夜が『私は疫病神なのよ!』と妻が叫んだ日の夜だったからだ。
あの夜。寄り添って眠っていた美佳子はやっぱり僕の背中にしがみついてひとしきり泣いた。もうごめんねとも僕に言えず。僕を怒らせまいと――。
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