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美佳子。お前はどうなんだよ。憧れていたのは僕との結婚ではなかっただろう。本部に出世したあの先輩とか、大人の課長とか、そして積極的で自信があって女をどう喜ばせるかよく知っている心地よくさせてくれる男とか。そういう男との生活を夢見て頑張ってきていたはずなんだ。なのに、あいつらに泣かされ負けて僕のところに転がり込んできた。それで結婚はしたけど、本当に納得した結婚だったのだろうか? 後悔しても子供がいるから母親として頑張っているだけで、僕という男の事なんて。
お前はもう自分で自分を貶めて、それで僕のところにいるのか?
だから今夜は抱きたくても、抱けない。今抱いたら、きっと僕は美佳子を征服するように否定するように抱いてしまうだろう。
美佳子もモヤモヤしたまま眠りについたことだろう。僕の身体も、男の身体も、ずっと鎮まらなかった。
僕はなにをしているんだろう。嫌な男だ。
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