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「そんな女に係長はすごく甘い。だから高原さんのことも甘く流して許して、まるで私が悪者みたいに。そんな美佳子さんと高原さんが係長には可愛い女に見えるんですよね。だから気をよくして……」
追撃止まらぬ彼女がついに。僕が一番聞きたくないことを言い放つ――。
「だから係長は、美佳子さんがどんなえげつない女か知らずに騙されて結婚しちゃったのよ!」
僕がいちばん気にしていることを。
あの時、なにもかも追いつめられていた美佳子だったからこそ。
僕を逃げ道として選んだんだという……。
目の前が、僕の目が、コンサル室の何もかも。ありとあらゆる色合いがぶっ飛んで真っ白になる。
「係長と美佳子さんが結婚してから、私は毎日散々。美佳子さんは沖田に誘われたけどほどほどのおつきあいで留めて、最後には真面目で堅実な佐川さんを賢く選んだみたいに見てもらえて。沖田と美佳子さんは『寝ていない』と言い張っていたけど、そんなの当人同士しかわからないじゃない。私の勘は『沖田は美佳子さんを欲しがっていた。だから寝た』だったの! その真実を訴えたかったはずの私の方があれからずっと悪者よ!」
「もうやめて!」
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