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時刻はそろそろ午後五時。
空の色が水色から紺色に切り替わる時間だ。
ボクは窓辺で、その瞬間をいつものように眺める。
ゴーン、ゴーン、ゴーン。
腹の底から響くような重苦しい音。
スピーカーから鐘の音が聞こえてきた。
ごりごりと、空のシャッターが降りてくる。
水色の空を塗り潰すように、紺色の空が上から覆い被さっていく。
ボクは水色の空の方が好きだ。
澄み切っていて、心が洗われるような色。
でも、どちらも人工の空――ただのシャッターなのは知っている。
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