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「ここは?」
「さっき説明しただろう。ここは、郵便局。アンタにはこれから、配達員として働いてもらう」
「……想いを届ける、ために」
「そう、その通り。アンタはまだ何も知らないからな。しばらくの間は、先輩と一緒に動くことになる」
「先輩?」
「ああ。この郵便局で一番の頑張り屋さんに、な」
目の前には、『郵便局』と看板が掲げられた建物。看板の横には天使の羽が模された飾りがつけられており、全体的に白い。照らしてくる太陽の光が反射しており、よく見ようとすると目が痛くなってしまう。
ごしごしと目を擦ると、隣のヒトは可笑しそうに笑った。
「それじゃあ……ようこそ、青空郵便局へ。歓迎するよ、新人君」
「……蒼緒です」
愉快そうに声を出して笑い、そのヒトは扉を開く。チリンチリンと、軽やかな鈴の音がした。
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