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万聖節(ハロウィン)
10月末。また机にバンブーチョコが入っていた。
『ゆいさん
ハロウィンバージョンのバンブーチョコが売店にあって、衝動買いしてしまいました。勝手ながら、お裾分けさせていただきます♪ はつみ』
「ええ!?」
「ど、どうした、ゆいさん!?」
思わず大声が出て、りょうさんがぎょっとした声で言った。
「ああ、ごめん。机にチョコが入ってて」
「それはびっくりだね。けど、そんな大声出さなくても」
「うん…」
びっくりしたのは、チョコが入っていたからじゃない。自分も、同じデザインのバンブーチョコを見つけて、机にこっそり忍ばせようとしていたからだ。
『はつみさん
チョコ、ありがとうございました。こちらのチョコは、あなたがくださったものではなく、私が買ってきたものです。おもしろいデザインだな、さしあげたいな、と思って。こんなぐうぜん、あるんですね^^ ゆい』
***
「ええ!?」
「ど、どうしたの、はつみ!?」
思わず大声が出て、奈緒がぎょっとした声で言った。
「ああ、ごめん。なんでもないの」
「…ふーん?」
先週末に机に入れたのとまったく同じチョコが机の中にあって、あれ? と思いつつ付箋を読んで、思わず大声が出た。ほんと、こんな偶然って、あるんだ―。
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