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「・・・俺、両親が海外で働いててばあちゃんに育てられたんだ。だから服とか持ち物とか遠足の弁当とか趣味とか好きな歌とか・・・全部渋くてさ。」
「そうだったんですか。」
次はけんちん汁だ。心と身体に染みていく。
「ハーフパンツじゃなくてピチピチの短パンだし、リュックじゃなくて風呂敷だし、弁当は茶色いし、落語や詩吟が好きだし、カラオケで歌うのは演歌だし。」
「いいじゃないですか。」
「皆が皆そんな風に思わないから。特に子どもの頃は。更科だって今だからそう思うだけで、当時俺と同じ学校だったりしたらきっと『なんだあいつ。じじくさ。』って思ったはずだよ。」
「うーん・・・正直、『そんなことないですよ!』とは言えないかも?」
「だろ?それで浮いてたしいつもからかわれて、でもばあちゃんを傷つけるのも嫌だし・・・それでどんどん内向的になっていった。でも高校生になって東京の高校まで通うことになったのをきっかけに変わろうと思った・・・ご飯、おかわりするか?」
「自分でやりますよ。先輩もおかわりします?」
「ああ、頼む。ばあちゃんの飯旨くてついつい食べ過ぎちゃうんだよな。」
「本当に美味しいです。それで、どうしたんですか?」
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