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「この動画は容量食いますね・・・ま、クラウドに自動保存されてるんで、端末のは削除すればいいか。あー充電もかなり減っちゃったじゃないですか。」
「忍くん・・・。」
「さぁ、動画ばらまかないかわりに菘さんに何してもらおうかな?今のと同じキスかな?それともついにもっとすごいことを・・・。」
「「ばらまいてもいいよ。」」
「うわ、ハモってる、キモッ、鳥肌立つわ。」
図らずも明日先輩と同時に応えると忍くんは身を縮めて手を前で交差させて腕をさすった。
「忍くんごめんね、私、忍くんの気持ちは・・・」
「それはもう何回も聞いたんで。それにお二人のこと、僕は認めません。菘さんのことも諦めません。」
「「!!」」
「海外赴任に出発する前の空港で誤解が解けて想いが繋がってキスして・・・なんてわざとらし過ぎる綺麗なハッピーエンドになんてさせませんから。」
「東雲・・・。」
「外見は僕と明日さん同程度だし、仕事だって今やほぼ並んでるんじゃないかって思うけどすぐに抜くつもりですし、何より菘さんへの気持ちは絶対に負けません。それにハワイに行ったら僕はずっと菘さんの隣にいられるんです。明日さんは次いつ会えるかもわからないですよね?」
忍くんは挑戦的な口調で言う。なんだか以前の彼に戻ったみたいだ。
「そのまま誤解したままだったらよかったのに。まぁ、僕もあの女性が彼女で奥さんになったって誤解してましたけど。せっかくその誤解のお陰でお二人が別々の道を歩き始めそうだったのに。」
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