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「菘・・・。」
「は、はいっ?」
明日先輩の眼差しは熱く全身がカッカしてくる。温泉に入っているわけでもないのになんだかのぼせてしまいそうだ。
「ばあちゃんに先に言われちゃったけど・・・俺と一緒になってほしい。」
「はぁっ!?」
忍くんがのけぞる。
「それって、ま、まさか・・・結・・・婚・・・?」
「うん。勢いとか東雲に対抗して言ってるんじゃない。中途半端な気持ちじゃないんだ。菘は今、俺に対してそういう気持ちはないと思うし、何より俺はわざとではないにしろ菘のことを傷つけて苦しめた。けど、そう思ってもらえるように努力する。」
「明日先輩・・・。」
「何言ってるんですか!?二人、めっちゃ離れて暮らすんですよ!?」
見つめ合う私達の間に忍くんが割って入ってくる。
「距離も時差も全部越えてやる。菘が世界中のどんなイケメンに口説かれてもはねのけるくらいに。」
「越えられなかったら?」
忍くんが意地悪な質問をする。
「仕事辞めてハワイに行く。仕事も夢も失ってもいいけど、菘だけは失いたくないんだ。」
「・・・っ。」
───明日先輩はそんなにも私のことを想っていてくれたの・・・?
「ふ、ふん。プロポースしようが関係ありませんよ。ただの言葉でしょ。こうなったらもう手段は選びません。菘さんは僕が頂きます。僕と結婚してください。」
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