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「えぇっ!?」
立て続けのプロポーズに腰が抜けそうになった。
「東雲、お前・・・!」
「付き合う前から菘さんを傷つける明日さんに菘さんと一緒になる資格はありません。僕の方が何倍も幸せに出来ます。菘さんの幸せを願うならいさぎよく身を引くことですね。」
「いや、俺の方が幸せにする。傷つけた分も。もう二度と離さない。世界一幸せにするって誓う。」
「ふん、どうせ言葉だけでしょう?ハワイで芸能人並みのド派手な式を挙げて明日さんを招待してあげますよ。」
「出来るものならやってみろ。東雲にだって負ける気はない。」
二人は一歩も引く様子がなく睨み合っている。周りにメラメラと燃え上がる炎が見えるようだ。
「あ、あの二人とも、そろそろ時間が・・・。」
ガルルルと敵意むき出しの二人を連れなんとか飛行機に乗ると、偶然にもキャンセルになったのは私達の隣の窓側席で私は明日先輩と忍くんに挟まれて座ることになった。
先輩が私の手をそっと握ってきたので目を合わせると、濃厚な甘い視線を返されドキドキしてしまう。すると忍くんが『おさわり禁止です。公共機関の中ですから。』と私達の手を離してきて、2人は睨み合う。
それぞれの想いを乗せた飛行機はハワイに向けて飛び立った。
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