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ハワイに渡ってから5年半が経とうとしていた頃───その日はちょうどバレンタインデーだった───社長と部長から呼び出しがあって忍くんと帰国した時に明日も呼ばれていて、以前デートしたあの古い町並みの中の古民家ホテルに泊まり、正式にプロポーズされたのだ。
社長達からは国内の店舗を管理するポジョンが空いたので私に任せたいと言われた。ハワイ2号店のチーフは忍くんになった。
忍くんは私達の結婚後、ハワイに遊びに来た愛来ちゃんとの間に子どもが出来て結婚し、チーフとマッサージ業の二足のわらじを履いて頑張っている。
愛来ちゃんは今や三つ子含む6人の子を持つ肝っ玉母ちゃんとなり、見た目も性格もすっかり貫禄満点になった。忍くんを尻に敷きながらハワイで暮らしているが『夜の主導権だけは忍にあるんですぅ。』と楽しそうだ。今や彼女と美彩ちゃんは私の頼もしいママ友である。
明日は私の帰国の約一年後に海外店舗を管理するポジションを担う為に帰国。会社で以前のように俺様キャラを演じることはなくなった。皆には『明日さん、フィンランドに行ってから変わったね。』『更科さんと結婚したからじゃない?』なんて言われたりして、ふたりで苦笑いしていた。隣に並んで。
そう、ついに私達はひとつ屋根の下で暮らせることになったのだ。
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