Wプロポーズの行方

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「・・・ばあちゃんは俺が子どもの頃からずっとばあちゃんで、いつも側にいてくれて育ててくれて支えてくれて見守ってくれて・・・このままずっといてくれるんだって思ってた・・・でもそんなわけないよね。俺達だって歳をとってる。40過ぎて介護保険も払うようになったし。」 フィンランドの病院にいる明日の両親からおばあちゃんの訃報を受けた。覚悟していたことなのにふたりともしばらく言葉が出なかった。並んでソファに深く座り床に敷いた四つ葉のクローバー模様のラグを見つめながら、私も悲しいけれど明日の方がずっと悲しいんだから私から話し始めなくちゃと思っていたのに、先に口を開いたのは明日だった。 「・・・そうだね。子ども達とも明日ともずっと一緒にいられるわけじゃない。限りあるから、一日一日が尊いんだよね。普段意識出来てないけど。」
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