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「俺の『明日』って名前、ばあちゃんがつけてくれたんだ。『明日が来ることは当たり前なことじゃない。感謝して日々を大切に生きなさい。そしてばあちゃん達にとっても明日がいてくれることは奇跡で、心から感謝してるんだ。』って・・・これ、前話したよね。」
子どもの名前をつける時に聞いた由来だった。涙声の明日が私を抱き寄せる。
「菘といると安心する。悲しみが癒えたり、力が湧いてきたり、不思議だよね。俺が食べたあの果実も不思議だったけど、愛の力も同じくらい奇跡だよね。」
結局、その果実が原因で始まったキスをしないと子どもになってしまう現象が突然なくなった理由はわからない。私達の中ではキスをしなくても大人でいられるようになったのは、あの日会議室で理性を飛ばすくらい全力のキスが出来たからなのかもしれないということで落ち着いていた。いずれにせよ、あの現象があったお陰で私達は結ばれたのだから感謝しかない。
「菘、愛してる。これからもずっと。」
「私も愛して・・・」
最後まで言わせてくれずに唇がふわりと重なった。
いつか空に煌めく星になるその日まで自分の全てで大切な人たちを愛していく。大好きなあなたと来る日も来る日もキスをして。
─────『来る日も来る日もXをして』 完─────
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最後までお読み頂き本当にありがとうございました。
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