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17時から18時までの少年
高校3年生の夏ー
現実逃避する為に取り組んだ部活が引退となり進路活動に向き合うことになったが、自分のなりたいものが見つからない。
地理や美術など得意な教科はあるが成績トップになる程のものではない。
自分の好き嫌いや得意など考えるのも面倒くさくなりどうでもいい。
最近は、家に帰るのが苦痛に感じた。
家族には[進路はどうする?][これでやっていけるのか?]など言われてウンザリしていた。
言われなくても分かってる。
頭で理解していても上手くできない自分自身に落胆しているので放っておいてほしい。
家にいるのも嫌になり、学校が終わると近くの公園で暗くなるまで公園のブランコに乗り揺れていた。
気がつけば、時計の針は17時を指していた。
「…消えちゃえばいいのにな。」
『なにが?』
公園に入ってきてから誰も見かけなかったので声が聞こえて驚いた。
隣を見てみると、僕と同い年くらいの楽しそうに微笑んでいる少年がいた。
服装が少し古めかしく見えるが、それ以外は普通だった。
「君は誰?」
『僕は××だよ。』
何故か名前だけ聞き取れなかったが、今日限り会わないと思ったので気にしなかった。
『何か悩んでるの?』
「何も悩んでないよ。」
『そんな暗い顔してたら誰だって気になるよ。ほら話してごらん。』
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