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【 第22話: 猫ちゃん? 】
「タロー様、ミャー様、それでは私はこれで失礼致します」
「グリフ、ありがとにゃん」
グリフが部屋から出ると、またミャーと二人っきりになってしまった。
静まり返る寝室……。
またしても、ミャーは胸の前で猫ニャンニャンの手をワチャワチャさせながら、頬をピンク色に染めている……。
この後、どんなプレイが待っているのか……?
怖い……。
「タロー……?」
「な、何……?」
「ミャーと一緒に寝てくれるにゃ?」
「(はっ!! キ、キ、キターーーーッ!!)」
俺は、息が荒くなっていた……。
だって、そうだろう……。
もう、俺たちは『夫婦の契り』というやつを交わしてしまったのだから……。
もうこうなったら、行くところまで行くしかないんだ。
「ミャー……、じゃあ、一緒に寝ようか……?」
「うん……」
なんて従順なんだ……。
こんな子猫ちゃんのような純粋なお姫様が、32歳のおっさんのことを受け入れるなんて……。
俺は夢でも見ているんじゃないかと思っていた。
俺が先にふとんへ入る。
すると、ミャーが後からゆっくりと、恥ずかしそうにふとんに入ってくる。
『チリリン……』
「んっ? その紫色の鈴、外さないの?」
「うん。これはずっと付けてるにゃ」
「そうか……。それと、その猫耳と猫しっぽも取らないの?」
「えっ?」
ミャーは、不思議そうな顔をして、そのかわいいクリクリお目々で、俺を見ている。
「あっ、だから、その猫ちゃんコスプレグッズ取らないのかなって思ってさ」
「猫ちゃんコスプレグッズ……?」
「ああ、ミャーが今、頭に付けてる猫耳とお尻に付けているその猫しっぽのこと」
ミャーは自分でその猫耳を右手で触りながら、何言ってるのという顔をする。
「これ、ミャーの耳としっぽだにゃ」
「はっ?」
「触ってみるにゃ」
俺は、恐る恐る耳を触ってみた。
柔らかい……。
実に、柔らかい……。
まるで、本物の子猫ちゃんのような柔らかく、かわいい耳だ……。
「痛いにゃ、タロー。もっとやさしく触ってにゃん」
「い、痛い? って……、これ……、ほ、本物の耳じゃーーーーーーんっ!!」
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