【 第23話: ああ、癒される 】

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【 第23話: ああ、癒される 】

「ミャー、これ……、君の耳なの……?」 「そうだにゃん」 「じゃあ、こっちの猫ちゃんしっぽも……?」  俺は、そのミャーのお尻から出ている、かわいらしいしなやかな猫ちゃんしっぽを、やさしく(さす)ってみる……。 「きゃあ! タロー、そんな風に触ったら、くすぐったいにゃん♪」 「(マ、マジかぁーーーーーーっ!!)」  俺は、愕然(がくぜん)とした。  それと同時に、俺は、あることを思い出した。  今日、名古屋の路地裏に逃げ込んだ、子猫ちゃんのことだ……。  あの子猫も、確か『紫色の鈴』を付けていた。  そして、ここにいるミャーも、同じ色の鈴を付けている。  まさかとは思ったが、俺はミャーにこの疑問をぶつけてみた。 「ミャー?」 「何だにゃ?」 「君は、ひょっとして、今日、名古屋のきしめん屋に行った?」 「行ったにゃ」 「ま、まさか、その時の子猫ちゃんって……、ひょっとして、ミャーだった……?」 「そうにゃ」 「(マ、マジかぁーーーーーーっ!!)」  これで全てが繋がった……。  そういうことだったのか……。  俺が昼間、名古屋で見たかわいい子猫ちゃんは、実は『ミャー』だったんだ……。  だから、『でらうみゃ~』と『De Lau Myar(ミャー、君を愛す)』と勘違いしたんだ……。  俺は、益々頭の中がごちゃごちゃになっていた……。  そして、俺がふと顔を上げ、ミャーの方を見ると、何故かミャーの顔が目の前5cmのところにあった。  な、何だ……。この癒される感覚は……。  近くで見れば見るほど、ミャーのブルーの瞳は、夜だというのに光輝き、実に美しい。  ミャーの小さなお口から、少しだけ出ている八重歯も実にキュートだ。  そして、ミャーの子猫のような吐息からは、甘いミルクのようなやさしい香りがしてくる。  視線を少し落とすと、白いバスローブの間から、意外にふっくらとした、ミャーの胸の谷間が見える……。  やばい……、かわいい……。  でも、何か頭がクラクラしてきた……。 「タロー? また鼻血が出ちゃってるにゃ。また、ミャーが舐め取ってあげるにゃ」 『ペロペロペロ……』 「(わ、悪くない……。き、気持ちいい……。この子猫ちゃんに舐められているような柔らかくも、やさしいざらざらとした感覚……。とても、癒される……。いつまでも、舐められていたい……。ああ、癒される……)」
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