60人が本棚に入れています
本棚に追加
【 第23話: ああ、癒される 】
「ミャー、これ……、君の耳なの……?」
「そうだにゃん」
「じゃあ、こっちの猫ちゃんしっぽも……?」
俺は、そのミャーのお尻から出ている、かわいらしいしなやかな猫ちゃんしっぽを、やさしく摩ってみる……。
「きゃあ! タロー、そんな風に触ったら、くすぐったいにゃん♪」
「(マ、マジかぁーーーーーーっ!!)」
俺は、愕然とした。
それと同時に、俺は、あることを思い出した。
今日、名古屋の路地裏に逃げ込んだ、子猫ちゃんのことだ……。
あの子猫も、確か『紫色の鈴』を付けていた。
そして、ここにいるミャーも、同じ色の鈴を付けている。
まさかとは思ったが、俺はミャーにこの疑問をぶつけてみた。
「ミャー?」
「何だにゃ?」
「君は、ひょっとして、今日、名古屋のきしめん屋に行った?」
「行ったにゃ」
「ま、まさか、その時の子猫ちゃんって……、ひょっとして、ミャーだった……?」
「そうにゃ」
「(マ、マジかぁーーーーーーっ!!)」
これで全てが繋がった……。
そういうことだったのか……。
俺が昼間、名古屋で見たかわいい子猫ちゃんは、実は『ミャー』だったんだ……。
だから、『でらうみゃ~』と『De Lau Myar(ミャー、君を愛す)』と勘違いしたんだ……。
俺は、益々頭の中がごちゃごちゃになっていた……。
そして、俺がふと顔を上げ、ミャーの方を見ると、何故かミャーの顔が目の前5cmのところにあった。
な、何だ……。この癒される感覚は……。
近くで見れば見るほど、ミャーのブルーの瞳は、夜だというのに光輝き、実に美しい。
ミャーの小さなお口から、少しだけ出ている八重歯も実にキュートだ。
そして、ミャーの子猫のような吐息からは、甘いミルクのようなやさしい香りがしてくる。
視線を少し落とすと、白いバスローブの間から、意外にふっくらとした、ミャーの胸の谷間が見える……。
やばい……、かわいい……。
でも、何か頭がクラクラしてきた……。
「タロー? また鼻血が出ちゃってるにゃ。また、ミャーが舐め取ってあげるにゃ」
『ペロペロペロ……』
「(わ、悪くない……。き、気持ちいい……。この子猫ちゃんに舐められているような柔らかくも、やさしいざらざらとした感覚……。とても、癒される……。いつまでも、舐められていたい……。ああ、癒される……)」
最初のコメントを投稿しよう!