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【 第34話: 新婚初夜② 】
『チュポンッ!』
「はぁはぁはぁ、ミャー……? キスの時、血ぃ吸うのやめてくれるかなぁ~……? はぁはぁ……」
「ご、ごめんにゃ、タロー……。また、つい吸っちゃったにゃ……」
こいつは、わざとなのか、天然なのか、ちっとも分からねぇ……。
この吸血猫は、かわいい顔した悪魔のようなやつだ……。
「タロー……、ごめんにゃ……」
「ぬぬぬぬ……」
か、かわいい……。
その頬を赤らめ、チラチラ上目遣いで俺の顔を見る恥らった姿……。
そして、指を咥え、口元から少しだけ出ている、俺の血を吸うための丸みを帯びたかわいい八重歯……。
こいつは、生まれながらに、小悪魔要素を持ち合わせた、とんでもない吸血子猫ちゃんだ……。
「(んん~、ダメだ……。こんな小娘に32歳の俺が逆上せ上がってどうする……。草食系男子ではあるが、俺も男だ。ここは、男らしいところを見せなくては……)」
俺は、ふとんの中に入ると、男らしく手招きをしてミャーにこう言った。
「ミャー、さあ、怖がらずにこっちへおいで。(き、決まったぜ……)」
「あっ、う、うん……」
「(ふふっ、かわいいやつよ。所詮、まだ15歳の子猫ちゃんだ……)」
ミャーは、俺の懐へもぐり込むと、一段と顔を赤く染めて、また猫ニャンニャンの手を胸の前でワチャワチャしていた。
そう、これは、ミャーが何かを欲している合図だ……。
俺は、ミャーの肩をそっと抱き寄せた。
そして、ミャーのかわいい額に、やさしく口づけをする。
ミャーは一段と興奮し、ワチャワチャが止まらない……。
すると、ミャーの着ていたピンクのうさちゃんのガウンが少しはだける。
年齢の割に、意外に大きなミャーの胸の谷間があらわになる……。
白く透き通るような肌……。ふっくらやわらかそうなかわいい胸……。
やばい、こいつ意外にセクシーだ……。
『タラ~ッ……』
「タ、タロー、また鼻血が出ちゃったにゃ……」
「(な、何か、また頭がボ~ッとしてきた……)」
「また、ミャーがタローの鼻血舐め取ってあげるにゃ」
「(な、何て……?)」
『ペロペロペロペロ……』
「(あ~、またこの子猫ちゃんのようなやわらかいが、ザラザラとした舌の感触……。い、癒される……。何て気持ちいいんだ……。いつまでも舐められていたい……。いつまでも……)」
『ペロペロペロペロ……』
こうして俺たちの新婚初夜は、『何事もなく』終わっていった……。
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