alive

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ゆっくりと、目を開く。 目に入ったのは、白い天井。 朝日だろうか、差し込む光が眩しい。 隣で脈を図っていた看護師が、男に声をかけた。 「青葉さん?青葉、(はじめ)さん?聞こえますか!?」 一はゆっくりと頷く。 直ぐドクターを呼んできますね、と、看護師は慌てて病室を出ていく。 どうやら誰かに見つけられて、病院に運ばれたようだった。運が良かった。 …本当に? ベッドの隣の机の上には、燃やした筈の原稿用紙と、水色の付箋。 alive (生き続けて) そう、書かれていた。 この小説の題名であり、たぶん、一に向けられたメッセージだ。 騎士は、平和な世界を創るのが夢だと言った。それを叶えられるのは、他ならぬ一だけだ。だから、 書こう、と思った。
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