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男は疑わしそうに騎士を見る。
でも、わかっていた。それに、彼を信じたいと思ったのは、本当。
「じゃあ、期待しとく」
「ああ」
騎士は立ち上がって、男に手を差し出した。男は、迷わずその手を取る。
「紡いでくれよ。オレの物語を、お前の物語を、そしてオレたちの物語を。お前の人生のページは、まだ埋まっていないから。オレにハッピーエンドを見せてくれ」
だんだんと、その声が遠くなっていく。緑色の景色に白く煙がかかっていく。
そこで、気がついた。
ああ、ここ、そう言えば、騎士が決意をした森だ。
両親の死を乗り越えて。
強く、生きていこう、と。
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