5人が本棚に入れています
本棚に追加
/5ページ
なかなか大人にょたの男の姿が見られない。見逃すようなことはしてないんだけどなぁ。
俺がモヤモヤしていると先頭を歩いていたタッくんが立ち止まる。
「瑠璃、上を見ろ」
タッくんが上を指差す。俺は咄嗟に上を見上げる。何もない。
「瑠璃、空はでっかいな」
俺は、がくんと脱力する。
「もう!タッくん、からかわないで!」
そのあと、何度も大人にょたがあれ見ろこれ見ろと指差すから、俺はそのたびにそっちを見ていたのだけど、タッくんも五丁目さんもうたうものさんも女体化チョコレートを食べた気配はなく、紅葉狩りは終了してしまった。なんで!?
「もう!なんでみんな女体化チョコレート食べてないのに、女体化切れないの!?」
俺は膨れる。山のふもとでお茶を飲みながら休憩したとき、俺はボヤいた。
「いやぁ。やっぱり瑠璃は可愛いなぁ」とタッくん。
「うむ。可愛いですな」と五丁目さん。
「瑠璃くんはあざといだけじゃなく、素直に可愛いですよ」とうたうものさん。
俺は一体なんのことか分からない。
「どういうこと?」
「内緒さ」
タッくんがドヤ顔で言った。
もう!モヤモヤする!
十一月後半に続くよー!
最初のコメントを投稿しよう!