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ヨーヨー釣りは上手くいって、全部で五つも釣り上げた。そんなに持って歩けないから、好きな色を二つだけ貰って壱吾とパシャパシャ音を立てながら歩く。
途中で綿あめを買って食べながら、金魚すくいをしてるちびっこを応援する。
射的は壱吾が挑戦したけど、結局何も落とせなくてガックリと肩を落としていた。
イカとトウモロコシとりんご飴、どれを食べるか悩みながら歩いて、結局たこ焼きを二人で半分ずつ食べた。
足が痛いので時々休みながら、それでもめいっぱいお祭りを楽しんだ。
そして日が沈み、空が刻々と色を塗り変えていく。
「足痛いだろ? そろそろ、座ろう」
花火まではまだ時間があるから、屋台のお店は今が一番賑わってる。でも確かに私の足はもう限界。食べ物や飲み物をいくつか買って、人込みから過ごし離れた斜面に陣取ることにした。
バッグの中から小さく折りたたまれた敷物を広げて、壱吾と並んで座る。
ちょうどこの正面に花火があがるはず。でもここは海岸から離れてて、他の人たちはもっと海岸に近い場所に集まっていた。
だからここは祭りの喧騒が少し遠い。
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