逢魔が館で過ごす夕暮れの素敵な時間

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 口の端に付いていたトマトジュースを舐めとり、僕は宵闇の道を歩き出す。歩いて、歩いて。そうして、すっかり日が落ちたところで駆け出した。背中に大きく翼を広げ、暗い空へ飛び上がる。店長が背負っていたのと同じ、蝙蝠めいた翼で風を切る。  今日も素敵な夜だ。僕達の時間が始まる。日付が変わったら学校だ。  人と、人ではない者達。二つの時間が混ざり合う逢魔が時。明日もまた、逢魔が館で彼らと会い見えよう。
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