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鬱陶しく眩しく照らす昼が過ぎ、夜が街を侵食し覆い隠す、その狭間の橙の時間 この時間は夜よりも何が起きるか分からない 「まあ、何が起きたかさえも認識出来ないでしょうけど」 この時間は何が起きても可笑しくない 「おや、これはまた……続けてかかるとは珍しい。幸先が良いことで」 男の手のひらでは、先程までの綺麗な金色の輝きが嘘のように徐々に黒く染まっていく 黒に塗り潰された鈴が重い音を鳴らして何かを知らせる様に揺れる それを確認すると流れるような優雅な仕草で元の場所に戻し、ふっと声を零した 「はてさて、お次様の末路はどうなることやら……楽しみ楽しみ」 堪えきれないとでも言うように口元を手で覆い、くつくつと笑いながら今日も街を闊歩する ヂリン、ヂリン その不気味な鈴の音を響かせながら ――人の子と 人ならざるものの関わりは 黎明待てども 意味なさず ――ひとり、ひとりと姿消し それに気付かず日々過ごす ――すべてはただの退屈潰し 今日も今日とて好機待つ 街の裏から 貴方が来るのを狙っている 了
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