夜の暗闇ほどではない、昼の明るさほどではない

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 旦那には整形していることを隠していない。今周りにいる人で整形したことを知っている人は旦那くらいだ。  旦那は驚いていたけれどそれでもいいと思うと言ってくれた。  話したのは付き合って一か月目、ずっと隠しておくのは無理だと思って早々に言ってしまった。もちろんプロポーズなんかよりずっと前だったから、プロポーズだって結婚だってそれを承知でしてくれたんだから、確かにその言葉は嘘ではなかったんだろう。少なくとも私はそう信じている。  けれど結婚してから変わってしまった。私を下に見ている、そう感じる。よくよく思い返すとそういえば結婚前にもその片鱗はあったかもしれない。けれど彼に惚れていた私はそれを意識していなかった。意識しないようにしていたのかもしれない。  付き合って一か月目を過ぎてからそういうことが始まっていたような気がするが、最初は隠していて徐々にぼろが出たのか、それとも私が整形してるから態度が変わったのか判別できない。もしかしたら私を下に見るようになって気が緩んでいたのかもしれない。  私は自由に服を選べない。私の顔に合った、私の好きな服を選ぼうとすると旦那から暴言が飛んでくる。もうブスではないはずなのにその言葉を聞くと身体が固まる。きっとそれをわかってて言っているのだろう。  でもきっとわかれようとは思わない。だって惚れてるから。
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