夜の暗闇ほどではない、昼の明るさほどではない

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 そして、私の今の友人たちはみんないわゆる意識高い系だ。だから、誰も見た目なんかほめない。持ってるものをほめてくる。私はそれにうれしいという演技をする。いまだにそれが嫌だとは言えていない。私の言うことを誰が聞いてくれるんだろう、そう思う。  みんな綺麗だから。きっと生まれた時からそうなんだろう。否定なんかされずに育って、そのくせ他者は否定してきたんだろう。だってカースト上位みたいな感じだし。私をあの頃いじめていた人たちもこんな感じだったから。そうして今は意識高い系。中身は変わっていないだろうからこの人たちの前で弱みを見せるわけにはいかない。  友人なのだろうか。いや確かに結婚する前、私が服を自由に選んでいたころは楽しく過ごせていた。その時から変わったのは私だけ。みんなが私に接する形は全然変わっていない。私の問題なのだ、確かに。  私の気に入っている見た目をほめてくれる人はいない。私の気に入らない服だけをほめてくる。
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