夜の暗闇ほどではない、昼の明るさほどではない

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 けれど、きっと私は壊れるだろう。どちらか片方なら耐えられた。けれど二つが重なってしまうともうだめだった。  自分の持ち物と自分の身体の境界なんて曖昧なものなのに。私の身体は私が持ち物として変えてしまったのに、どうして誰も持ち物だと思ってくれないんだろう。私が持っているものは私の持ち物じゃなくて私の旦那の持ち物なのにどうして私をほめようとしてそんなものをほめるんだろう。  あのころみたいな夜の暗闇ではない。けれど確かに記憶にある昼の光景ではない。ああ、今私がいるところは昼と夜の間みたいなものだ。
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