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少しの間診察室が静まり返り、女性医師が 「持ち込めないものがたくさんあるので、まず荷物を看護師さんにチェックして貰ってください」と説明してくれた。私は不安になり、ハッとして「スマートフォンは大丈夫でしょうか?」と聞いた。 「ダメです。詳しい事は看護師さんに聞いて下さい」 女性医師が答える。嗚呼なんて事か!外の世界と連絡が閉ざされてしまう。しかも最近はスマートフォンにも依存ぎみになっている状態。これからどうやって入院生活を過ごせば良いのだろう。入院やめようかしら、私は不安になった。 診察が終わり、入院するという二階南病棟に主人と二人訪れた。インターホンがあり、その横に「ご用の方はインターホンを押してください」と書いてある。押して見ると 「内藤さんですね。医師から連絡がありました。今ドアを開けます」 女性の声がする。程無くして「ガチャガチャ」と鍵の開く音が聞こえ、ドアが開く。年配の少しポッチャリとした女性看護師さんが迎えに来てくれた。一緒に中に入りまたドア。そのドアも鍵を開ける。ダブルで鍵がかかっているのだ。抜け出す事は無理そうに思われる。看護師さんに案内されてナースステーションらしき場所に入る。ここもまた鍵がかかっている。
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