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ちょっと太りぎみで大きなテディベアを思わせる容姿の主人。私はそんな主人が癒し系で大好きなのだ。事実、毎日ピッタリくっついて寝ている。結婚して六年、まだ新婚同様である。私は閉鎖病棟に取り残されるのが不安で寂しく、悲しくてしょうがない。その為、まるで金輪際の別れのような見送りになってしまった。鍵のかかる重いドアまでついていき、帰った後もずっとドアの前に立っていた。すると担当の北原看護師に 「早く戻ってね。ずっとここにいるのは禁止ですよ」  そう言われてしまった。しっかりしないと駄目だと思った。今度は一人で夕飯を皆と食べ、病棟の様子をしっかり観察し、どうやって上手く入院生活をおくるか考えなければいけないのである。  主人が帰った後、少し個室で作戦を練る。皆と上手くやる方法か、ウーン。と考えていると夕飯の時間、六時になった。いざ出陣、きちんと挨拶をしてしっかり夕飯を食べるぞ。気合いをいれて談話室に向かう。もうすでに殆んどの人は席についている。私は真ん中辺りの四人がけの席に、五十代後半位か、一人の女性が席にいるのが分かった。 (あそこにしよう)  そう思い、席に向かう。窓際は例の若者達のグループがあったし、手前は老人グループだ。その他男性グループもある。今考えた席につくのが妥当であろう。 「この席に座ってもいいですか?」  私は恐る恐る、女性に聞いてみた。すると 「この病院はね!どこに座っても自由なのよ!そういう決まりなのよ!」  いきなり大声で叫ばれてしまった。患者さんの数人と看護師さん達がこっちを見る。どうしよう。取り合えず「分かりました」と言って席についた。会話をしようにもまた叫ばれたらかなわない。 (次は違う席に座ろう)  そう考えていると、夕飯を看護師さん達が配りはじめてくれた。
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