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遊んだ後の帰り道
空が赤くなる頃、蓮弥(れんと)はいつもの道で茜(あかね)と別れることとなった。
「じゃあね、蓮くん、また今度ね」
茜は柔らかな笑顔を蓮弥に見せた。蓮弥は心が和むのを感じた。
「うん、またね、茜ちゃん」
二人は手を振り合い、蓮弥は茜に背を向ける。
「今日も楽しかったな」
蓮弥は歩きながら呟く。茜は蓮弥の幼馴染みで、日曜日限定で遊んでいる。
本当なら毎日でも茜と遊びたい所だが、お互いの都合もあり、日曜日だけとなっている。
茜とは学校も同じだが、茜が異性ということもあり周りへの気恥ずかしさからか、ほとんど話さない。
が、日曜日となれば仲良く遊ぶ関係となる。
今日は茜と鬼ごっこをしたり、近所の探検をしたりもした。茜は楽しげに笑い、蓮弥もつられて楽しい気持ちになった。
茜の「蓮くん」は蓮弥の愛称である。
「今度はどんな遊びをしようかな」
蓮弥は夕焼けを眺め、考えを巡らせた。
茜を楽しませるためなら何でもしたい。幼いながらもそんな風に思っていた。
蓮弥にとってこの日も茜と楽しい時間を過ごせて満足だった。
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