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神様にお願いをしたことは数知れず。
サッカー選手になりたい。
妹の病気を治して。
受験に受かりたい。
みんなが持っている流行りのおもちゃが欲しい。
全て叶った。
全て自業自得の不幸で覆り、ダメになった。
でも、神様に願いを言わざる終えない。
そんな状況に追い込まれた冬の日。
「神様でも閻魔様でもこの際どっちでもいい。
俺に職と生きるための道筋を示してくれ!」
必死に拝む。
一家離散、家は借金のカタに取られ、寒空の下。
手がかじかむほど待った。
頭に雪が積もってくる。
死を覚悟したその時、賽銭箱がガゴンと音を立てて開いた。
「のう、お主、ここの審神者にならんか?」
そこには寒々しい長襦袢を着た少女がいた。
思えば彼女の手を取ったことが始まりだったのかも知れない。
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