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隆成が一旦帰宅した頃、櫂と美音も家に帰ってきた。
「おばあちゃん、ただいま」
ニコニコ笑って帰宅した美音にほっとした。大丈夫だったみたいね。
「母さん、拓海は?」
櫂は当然、我が家の次男坊の事が気になっているわ。
「田植えさせて貰って泥だらけで帰ってきたの、シャワーを浴びてから二階に上がったわ。すごく楽しかったみたい」
「へぇ」
「今夜は隆成達を晩ご飯に呼んだからね。櫂も落ち着いたらお風呂に入っちゃいなさい。美音はおばあちゃんを手伝ってくれる?」
「はい、着替えて来るね」
階段を昇ろうとする美音の背中に、ひと休みしてからで良いよと声を掛けた。
「隆成には世話になってるからな。母さん、ご馳走を頼むよ」
「もちろん」
もうお寿司は注文したし、子供達が喜びそうなチキンやオードブルやお菓子も用意した。あとは美音と一緒に暖かい汁物や飲み物、ジュースや揚げたてのポテトを準備するだけ。
「あのね櫂、さっき隆成から聞いたんだけど」
「なに?」
私は先程の話を簡単に櫂に話した。私もそれしか知らないけどあとで隆成が来たらちゃんと話をしてくれるでしょう。
櫂は静かに頷いて、何かを考えているかのようにそのまま黙り込んだ。
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