63人が本棚に入れています
本棚に追加
翌日居間に降りていくと、ばあちゃんと一緒に朝食の用意をする美音がいた。
「拓海、おはよう」
俺を見て笑う美音、いつも通りの笑顔だ。
「おはよう美音、ばあちゃん」
そのまま洗面所に向かおうとすると父ちゃんとすれ違った。
「おはよう父ちゃん」
「おう、おはよう。拓海、今日は10時に隆成が迎えに来るからな」
「うん、分かった」
今日は学校の見学が美音とかち合ってしまった。俺の方は隆成おじさんが付き添ってくれる。
美音の学校も見たかったけれど父ちゃん達の母校だし。何より父ちゃんが一緒に行くからそっちはきっと大丈夫だ。
それを聞いた時には美音がちょっとだけ不安な顔をしたけど、それでも大丈夫と言った。
美音も少しずつだけど、頑張って変わろうとしているんだ。
俺は窓の傍に置かれた昨日のカーネーションを見る。今日は平日だけど亮さんには会えないかな?
俺も頑張ろう。
何よりも自分の為に。
それから家族の為に。
最初のコメントを投稿しよう!