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学校に着いて昨日のように受付をしていると、俺の他にもそこで案内を待っている男子生徒がいた。
なんか妙にオドオドした感じの、ちょっと神経質っぽい眼鏡の男子生徒だ。
「はい、こんにちは。神々彌くん、今日も来てくれたね」
「こんにちは中川先生、よろしくお願いします」
俺が頭を下げると、隆成おじさんも一緒に下げてくれる。
「よろしくお願いします。今日は拓海の父の代理で来ました、叔父の真波です」
うん、叔父さんだ(笑)
「こちらは高石さんですね。高石健吾君も園芸科を希望されていますね。本日の学校案内を担当致します中川です」
この神経質っぽいヤツも園芸科志望か。こいつ、なんでこんなオドオドしてるんだろう。目が泳いでて、なんてったっけ…あ、挙動不審だ。
「健吾!先生にちゃんとご挨拶しないか!」
父親と思われるゴツイ親父さんが、挙動不審を怒鳴りつける。健吾と呼ばれた挙動不審は、親父さんに頭を押さえ付けられて頭を下げさせられていた。
「すいません先生、気の利かない息子で」
「いえいえ、お気になさらず。では校舎の案内から行きましょうか。現在は授業中なので、実習棟の方で色々見られますよ」
それが楽しみなのだ。
俺と隆成おじさんが中川先生の後を追う。
ちょっと遅れて、親父さんに引きずられるように高石健吾がついてきた。
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