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私の失恋
『僕と付き合って欲しい』
今、目の前で、私の大好きな先輩が告白してる。
嫌だ、心が痛い。
胸が苦しいよ…
だって…
告白されてるのは…
私じゃない。
頭も良くて、美人の菜々子先輩だから…
『うん、いいよ』
顔を赤らめて答える菜々子先輩。
そっか…
告白…成功したんだね。
一弥(かずや)先輩と奈々子先輩。
両想いだったんだ…
美男美女ですごくお似合い。
たまたま通りがかった私に気付きもしないで…
きっと幸せ過ぎて、2人だけの世界に入り込んでしまってるんだろう…
大好きな先輩は、もう…
私に振り向くことはないんだ…
そう思ったら自然に涙が溢れる。
目を閉じると頬に熱いものがこぼれた。
初秋の少し冷たい風が…
その頬を撫でるように通り過ぎていった…
1年間、しっかり片想いをして…
そして…
私は、今日、見事に失恋した。
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